ウイスキーとブランデーの違いとは?種類や違いを分かりやすく解説

琥珀色で美しい見た目も似ているウイスキーとブランデー。

ウイスキーやブランデーを飲み始めた方の中には「両者の違いがよく分からない」「結局何か違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

ここでは改めてウイスキーとブランデーの違いを分かりやすく解説します。

ウイスキーもブランデーも蒸留酒

まず抑えておかないといけないのは、ウイスキーもブランデーどちらも「蒸留酒」であるということです。 

そもそも「蒸留酒」とは何でしょうか?

お酒は製造方法によって、「醸造酒(じょうぞうしゅ)」「蒸留酒」「混成酒(こんせいしゅ)」の3つに分かれます。 

  • 醸造酒:原料を酵母でアルコール発酵させて造るお酒。代表的なお酒はビール、日本酒、ワインなど 
  • 蒸留酒:醸造酒を加熱し、蒸留して造るお酒。代表的なお酒はウイスキー、ブランデー、ジン、テキーラなど 
  • 混成酒:醸造酒や蒸留酒を原料に、果実や香辛料などを配合したお酒。代表的なお酒は梅酒、リキュールなど 

つまり製造方法としてはウイスキーとブランデーは同じ蒸留酒というカテゴリに入ります。醸造したものを更に蒸留するのでアルコール度数は高く、大体アルコール度数40%~50%くらいの蒸留酒が一般的です。

ウイスキーとブランデーは原料が違う

ではウイスキーとブランデーには一番大きな違いから見ていきましょう。

一番分かり安い違いは原料の違いです。

  • ウイスキー:穀類(大麦、ライ麦、トウモロコシ)を原料としたお酒 
  • ブランデー:果物(白ブドウ、リンゴ、洋ナシ等々)を原料としたお酒 

です。まずはこの一番大きな違いを覚えておきましょう。

whesky-brandy04.jpg?1717568473642

蒸留までの製造過程が違う 

ウイスキーもブランデーも同じ蒸留酒ですが、お酒を蒸留するためには「発酵(醸造)→蒸留」というステップを踏む必要があります。

ブランデーには様々な果実が原料として使用されますが、世界で最も消費されているブランデーはブドウを原料としています。ブドウを原料としたお酒といえば他に何が思いつきますか?

そうワインですね。

ワインは醸造酒です。ブドウを原料としたブランデーは基本的にワイン(醸造酒)を蒸留して作られます。

ではウイスキーはどうでしょう? 

ウイスキーは大麦やトウモロコシを発酵させ醸造させた液体を蒸留して作られます。同じ穀物を醸造したお酒としてはビールが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。 

この2点をかなり簡単にいうとブドウ(果物)を原料とするワインを蒸留したものがブランデーで、穀物を原料とするビール(のようなもの)を蒸留したものがウイスキーなのです。

ちなみに、この大元となる醸造(ワインとビール)の工程に「糖化」というステップが存在するかしないかも大きな違いです。 

ウイスキーに必要な「糖化」とは?

ウイスキーもブランデーも発酵させる際に酵母をまぜて糖分をアルコールと二酸化炭素に分解し、醸造酒へと至ります。この工程は同じです。

しかしウイスキーの原料である穀物類には糖分がほとんどないため、そのままでは発酵させることができません。そのためウイスキーの場合は原料となる穀物と水を混ぜてお粥のような状態にします。ここで大麦の主成分であるでんぷんを糖に変化させるのです。これをろ過して「麦汁」が作られます。この「麦汁」が発酵して初めてウイスキーの元となる液体ができるのです(ウイスキー的にはこれを「もろみ」と呼びます)。これがウイスキーの糖化のステップです。

しかしブランデーにはこの糖化が存在しません。ブランデーの原料は果物であるためもともと発酵に必要な糖分を多く含んでいます。そのため穀物の様にでんぷんを糖に変える工程は必要ありません。そのまま発酵させた後、ウイスキーと同様に蒸留という工程を経てブランデーになるのです。

ウイスキーとブランデーの味わいの違い

ウイスキーの味わい

ウイスキーは、穀物由来のしっかりとした味を堪能するのに向いています。原料にどんな穀物が使われているかで、味がはっきり分かれるのもウイスキーの特徴と言えるでしょう。またウイスキーの中には燻製のようなスモーキーさがあるなど、甘味が少なくスマートな印象を受けます。またウイスキーの方がハイボールや水割りなど割って飲むことも世の中に浸透しているので、より身近な存在に感じるかもしれません。

ブランデーの味わい

ブドウなどの果実が原料であるブランデーは、とてもフルーティーで香り高い特徴を持ちます。そのためブランデーは香りを楽しむことに重きを置く方に向いているといえるでしょう。口に含むとブランデーはほのかに甘く、アルコールを感じさせないようなまろやかさがあります。そのためフルーティーで香り高い香味を好む方は、ブランデーの方が飲みやすいと感じるかもしれません。

ウイスキーの種類は何がある? 

ウイスキーの有名な産地はアイルランドとスコットランド、そしてアメリカです。同じウイスキーでも国ごとに原料の穀物や製造方法が異なり、それぞれに特徴的な風味や味わいがあります。ここでは代表的な例を挙げますので是非参考にしてください。

スコッチウイスキー

スコットランドで造られている世界でも人気のウイスキーです。

スコッチウイスキーはその中でも生産域ごとの特徴が分かれています。あの有名なマッカランやグレンリベットはスペイサイドという地区で作られるスコッチウイスキーです。

また、アイラウイスキーと呼ばれるアイラ島で作られたウイスキーはピート由来のスモーキーな香りと力強い味わいが特徴で日本をはじめ世界中で人気があります。

スコッチウイスキーの一覧を見る 

アイリッシュウイスキー

アイルランド共和国と北アイルランドで造られているウイスキーです。麦芽を燻す工程がないのでとてもなめらかな味わいのウイスキーです。 

「アイルランド島の倉庫で木製の樽に入れて3年以上熟成させたもの」だけがアイリッシュ・ウイスキーと名乗ることができます。代表ブランドとしては「ブッシュミルズ」「ジェムソン」など歴史ある蒸留所が多いのも特徴のひとつです。

アイリッシュウイスキーの一覧を見る

アメリカンウイスキー  

アメリカンウイスキーはその名の通りアメリカで作られているウイスキーです。原料によって様々な種類があります。バーボンウイスキー、ライウイスキー、モルトウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデッドウイスキー・・・などです。

中でも有名処はアメリカのケンタッキー州バーボン郡を中心に造られているバーボンウイスキーでしょう。原料の51%以上にとうもろこしが使われるのが特徴で、やや赤みがかった色味と華やかな香り、マイルドな味わいがあります。日本ではワイルドターキーや、テネシー州で作られているバーボン「ジャックダニエル」が有名ですね。テネシー州で作られているのでテネシーウイスキーとも呼ばれています。なおバーボンは産地ではなく製法の規格ですので、ケンタッキー州バーボン郡以外の土地で造られても、その製法を守ればバーボンと名乗れます。

バーボンウイスキーの一覧を見る 

ブランデーの種類は何がある? 

ブランデーは果物の蒸留酒の総称であり、使われる果物の種類によって風味や色合いが異なります。中でも有名なのは白ぶどうを使ったフランスのブランデー「コニャック」や、りんごを使った「カルヴァドス」などです。ブランデーは使われる原料や生産地域で異なる名称が使われています。代表的な例を挙げますので是非参考にしてください。

コニャック

フランスの南西部に存在するコニャック市を中心にする地域で生産される、ブドウを原料としたブランデーをコニャックといいます。コニャックは世界で最も売れているブランデーです。有名なコニャックブランドとしては「ヘネシー」や「レミーマルタン」などが挙げられます。法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「コニャック」として販売することができます。単式蒸留を2回おこなって造られるため、雑味のない上品な味わいを楽しめるのが特徴です。

コニャックの商品一覧を見る 

アルマニャック 

フランスのボルドー地方南に位置するアルマニャック地方で作られるブランデーをアルマニャックと呼びます。こちらもコニャックと同じく、法律で定める基準に該当したものは、この地名の名前である「アルマニャック」として販売するが出来るようになります。コニャックとの大きな違いは製造方法です。アルマニャックは半連続蒸溜機を用いて1回の蒸留で造られます。蒸留回数が少ないためコニャックと比べてワイルドで野生的な味わいを楽しめるのが特徴です。

カルヴァドス 

フランスの北部ノルマンディー地方とブルターニュ地方が産地です。そして原料はブドウではなく、リンゴを原料としてつくられるブランデーです。

特にノルマンディ地域圏にあるカルヴァドス県のブランデーが有名です。従ってノルマンディー地方とブルターニュ地方で作られたリンゴのブランデーで基準を満たしたものを総じてカルヴァドスと呼びます。

蒸留方法は連続式蒸留機での1回蒸留または単式蒸留器での2回蒸留が用いられます。

ウイスキーとブランデーの違いまとめ

最後にウイスキーとブランデーの違いについて重要なポイントをまとめましょう。

  • ウイスキーとブランデーはどちらも蒸留酒
  • ウイスキーとブランデーは原料が違う
  • ブランデー:果物(白ブドウ、リンゴ、洋ナシ等々)を原料としたお酒 
  • ウイスキー:穀類(大麦、ライ麦、トウモロコシ)を原料としたお酒 
  • ウイスキーの原料となる穀物は糖分を含まないため糖化工程が必要 
  • ブランデーは果実の糖分があるため糖化は不要 
  • ウイスキーは生産場所や製法によってスコッチ、アイリッシュ、アメリカンなどに分かれる 
  • ブランデーも生産場所や製法によってコニャックやカルヴァドス、グラッパなどに分かれる。

saketryおすすめのスコッチウイスキーとブランデー 

では最後にsaketryで初心者におすすめのウイスキーとブランデーを紹介します。それぞれ入門として違いが特徴的で飲み比べが楽しいものを選定しています。

おすすめウイスキー 

ウルフバーン ノースランド

2016年にウルフバーンの定番アイテム第1弾としてリリースしたノースランド。熟成にはアイラ産のセカンドフィル・クオーターカスクを使用した味わいには、微かに樽由来のピートのニュアンスとともに果実とモルティな香りが重なり合うバランスのとれたウイスキー。

ウルフバーン モーヴェン

初のピーテッド・モルトを使用した、ウルフバーン蒸留所オフィシャル第3弾となるシングルモルト「MORVEN」。やわらかいピート香が広がり、レモン、ハチミツ、熟したリンゴを感じる。ミディアムボディでオイリー。シロップの甘さ、心地よいピート香が広がる。ほのかにスパイシーでバランスがよい。 

おすすめブランデー(コニャック) 

ABK6(アベカシス) VSOP

若いブドウと絶妙なスパイス感とウッディーさを含むシナモン。しばらくするとレモンティーのような心地よい香り立ちに変化する。スパイシーな立ち上がりの後、フルーツケーキを噛んでいるかのようなリッチでスイートな味わいが口中で広がる。 

ABK6(アベカシス) XO ルネサンス

408505-3.jpg

少しスパイシーな香り立ちが大変心地よく、オレンジピール、イチジクといったフルーティーさが一気に開く。大変華やかな香り立ち。クルミ、ヘーゼルナッツとドライフルーツを彷彿とさせる味わいが絶妙なバランスで混ざり合う大変複雑な味わい。グラスに注いだ15分後にはさらに南国果実味が開花し艶やかさが増す。フィニッシュにはオレンジ、レモンといった柑橘系の風味が鼻に抜け、爽やかながらも重厚感・熟成感のある旨味が伸びる。やわらかなピーチ感のある余韻を長い時間楽しむことができる。

To the main pageNext article

関連商品

9,020  (税込) (税抜 8,200 )
59,400  (税込) (税抜 54,000 )
9,900  (税込) (税抜 9,000 )