スペイサイドウイスキーの特徴は?おすすめスペイサイドウイスキー
スコッチウイスキーの生産地域として最も有名と言っても過言ではないのがスペイサイドです。スペイサイドはウイスキーの聖地とも呼ばれる場所であり、スコットランドの中で最も多くの蒸溜所が存在しています。スペイサイドはハイランド地方の一部であり、ハイランド地方のスぺイ川周辺にある蒸留所で製造されるモルトウイスキーをスペイサイドモルトと呼びます。
スペイサイドの特徴を一言で説明すると、フルーティーで飲みやすい銘柄が非常に多く、優雅な香りと果実の繊細な味わいが特徴です。ウイスキー初心者でも飲みやすく世界的に評価が高い銘柄が数多く存在します。日本でも多くの方に飲まれています。
販売数の上位3つはグレンフィディック、ザ・グレンリベット、マッカランで、日本での輸入数の1位はマッカランとなっています。
スペイサイドの特徴とは
先述したようにコッチウイスキーの生産地域は6種類に分類されています。スペイサイド、ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイラ、アイランズです。スコッチウイスキーの生産域に関しては下記記事にまとめていますので是非ご参照下さい。
参考記事
→ウイスキーとスコッチの違いは何?スコッチの特徴を詳しく解説
こちらの地図を見て頂ければ分かるように、スペイサイドはハイランド地方の一部です。ウイスキーの製造地を分類する際にはスペイサイドとそれ以外のハイランド地方に分けることが一般的です。そのため、スペイサイドがあるハイランド東部の蒸留所の分類は難しく、東ハイランド地方に存在するグレンドロナック蒸留所はスペイサイドに分類されることもあります。
東ハイランドにあってもスペイサイドウイスキーを名乗ることもできるので、スペイサイドとハイランドの地域分類は必ずしも厳密ではないことを理解しておきましょう。
多くの蒸溜所が集まるスペイサイド
「スペイサイド」は、スコットランドの代表的なウイスキー蒸留所が集まる地域。スコットランド北部のハイランド地方にある小さな街で、スペイ川が流れるのどかな街です。スペイ川の流域を指すことからスペイサイドという名前が付けられています。
スペイサイドに流れるスぺイ川の清流や、スコットランドの主要な山脈であるグランピアン山脈がもたらす涼しい気候などウイスキー製造に適した環境です。スペイサイドの面積自体は決して大きくはありませんが、その中に54か所以上もの蒸留所が存在しています。
また、蒸留所が集中した理由のひとつに1700年~1800年頃までのウイスキーの密造時代があったことが挙げられます。
1700年代に財政難に苦しんでいたイングランドはスコッチウイスキーに対して15倍もの大増税を決行します。それに反発した生産者達は政府の目が届きにくいスコットランド北部のハイランド地方で密造を始めました。(スぺイ川のきれいな水が湧いていたこともウイスキー作りにとって有利でした)
さらに密造酒を隠すために木樽に入れて酒を保管したことで、現在のウイスキーの樽熟成による琥珀色のカラーリングや製造方法が確立されたとされています。
このような事が重なりスペイサイド地域はモルトウイスキーの生産地として評判となり、現在でも数多くの蒸溜所が存在しスコッチウイスキーを代表する生産域となったのです。
初心者も飲みやすいウイスキーが多いスペイサイド
冒頭でも述べたようにスペイサイドの蒸留所で製造されるウイスキーは甘くてクセが少なく飲みやすいウイスキーが多いことも特徴です。フルーティーで口当たりのよいウイスキーが多くスコッチの中でも万人受けしやすい銘柄が多くありますので、初心者におすすめしやすいスコッチの生産域でもあります。
始めて飲んだウイスキーで最も好みだったのが結果的にスペイサイドのウイスキーだったという方は多くいらっしゃるでしょう。
スペイサイドの8つの地区と蒸留所一覧
スペイサイドは更に蒸留所の場所によって8つの地区に分類されています。
スペイサイドの中でもスぺイ川中・下流域やエルギン地区には蒸留所が集中しています。
8つの地区と代表的な蒸留所は下記の通りです
フォレス地区:ベンロマック
エルギン地区:ベンリアック、ロングモーン、グレンロッシー、グレンマレイ
ローゼス地区:グレングラント、グレンロセス
キース地区:オルトモア、オスロスク、グレントファース、ストラスアイラ
スぺイ川中・下流域:マッカラン、グレンファークラス、ベンリネス、クライゲラキ
バッキー地区:インチガワー
ダフタウン地区:グレンフィディック、バルウェニー、アルタベーン、ダフタウン
リベット地区:ザ・グレンリベット、プレイヴァル
スペイサイドのおすすめ銘柄
それではsaketryおすすめのスペイサイドを代表するウイスキーを紹介いたします。
トーモア 2015 7年 オロロソ シェリー カスク フィニッシュ
樽職人の名を冠した「ザ・クーパーズ・チョイス」は、その樽選びの独創性と品質の高さで今や世界20カ国以上に輸出をするほどの人気シリーズブランド。
香り:キャラメルとドライフルーツの中にわずかなタバコを感じることができます。
味わい:深く豊かなドライフルーツとブラウンシュガー、甘い麦芽とワックス剤、クルミ、オークとスパイス。
フィニッシュ:スパイスが強まり、長く続いていきます。
ザ・マッカラン12年
まずスペイサイドウイスキーの定番としてははずせないのは「ザ・マッカラン」でしょう。華やかで上品な味わいとその完成度の高さから「スコッチウイスキーの王様」「シングルモルトのロールスロイス」などと呼ばれ、世界中のウイスキーファンに愛されています。 最もスタンダードなザ・マッカラン12年は是非一度は手に取って頂きたいボトルです。
バルメナック 2013 10年 シェリーホグスヘッド
ボトラーズ物が多いバルメナック蒸溜所。受け継がれた伝統性能による高品質なウイスキーの製造を続けるウイスキーブランドです。ディスティラリーズ・コレクションからリリースされたこのボトルはトップノートには黒糖とデーツ。続いて、シナモンケーキやベイクドアップル、オランジェット、クローブなどが現れる。ふくよかな甘みは、いい樽で寝かせたことを感じさせます。かりんとうやチョコレートケーキを思わせる甘さが口中に広がり、ボディがとても厚く、噛めるようなテクスチャーを感じるフレーバー。フィニッシュはビターチョコレートとタンニンを感じます。
アベラワー 2010 12年 リフィル シェリーバット
こちらもスペイサイドを代表するアベラワー蒸溜所より。ボトラーズの「ディスティラリーズ・コレクション」が詰めた人気の1本。トップノートにはうっとりするような、品のいい甘い香りを感じます。ビワやザクロ、洋梨、レンゲの蜂蜜、水辺の花などが現れる。軽やかだがバランスがよく、しっとりとした熟成感が心地良く広がります。
フレーバーとしては口中に蜂蜜のキャンディとチョコレートが広がります。続いて麦芽シロップやマーマレード、シナモン、甜茶なども感じ、フィニッシュには蜂蜜がけのオレンジピールとタンニンを拾うことができます。
スペイサイドウイスキーまとめ
今回はスコットランドで最も多くの蒸留所が集まるスペイサイドのウイスキーの特徴とおすすめについて紹介しました。スペイサイドのウイスキーはこれまでウイスキーを味わったことのない初心者の方でもおすすめできる飲みやすくフルーティーな香りが特徴です。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。