シングルモルトウイスキーとは何か?ブレンデッドウイスキーとの違いとおすすめシングルモルト

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「シングルモルトって何?」「ブレンデッドウイスキーとの違いは?」

ウイスキーを飲み進んでいくと必ずこのような疑問が湧いてくることでしょう。

ウイスキーは原料や産地、製法などが違うとそれに応じた呼び名がつく事がありますが、「シングルモルト」と「ブレンデッド」もその一つですね。

ここではシングルモルトに焦点を置き、シングルモルトの特徴とそれぞれの違いについてウイスキー初心者の方でも分かりやすいように簡単に解説していきます。

まずモルトウイスキーとグレーンウイスキーの違いを知る

シングルモルトを語る前に、モルトとは何か?を理解する必要があります。ウイスキーには原料の違いで大きく分けてモルトウイスキーとグレーンウイスキーが存在します。

ウイスキーのボトルの裏ラベルを見て頂くと「原料:モルト、グレーン」などと記載されていますね。

違いはウイスキーに使う原料です。

ウイスキーの原料は穀物です。穀物と言っても小麦や大麦、トウモロコシ、ライ麦などさまざまな穀物が存在します。

どの穀物を使用するかによってウイスキーの呼び名が変わるのです。

モルトウイスキーとは?

モルトウイスキーとは「大麦麦芽」だけを使用したウイスキーのことを言います。

大麦麦芽は英語でモルト(Malt)ですね。モルトしか使わないウイスキーのことをモルトウイスキーと呼びます。今回のテーマになっている「シングルモルト」とはまたちょっと違うのですが詳細は後述します。  

基本的に味わいはモルトの風味が強く、原料や作り方的に大量生産が難しく個性豊かな味になります。  

グレーンウイスキーとは?

グレーンウイスキーとは、大麦麦芽でなく、それ以外の穀物を使用するウイスキーのことを言います。使用する原料としては主に、ライ麦や小麦、トウモロコシなどです。(大麦麦芽も混ざる場合もあります)穀物類を英語ではグレーンと呼びますね。

モルトウイスキーと比較すると味わいはどちらかというとライトです。大量生産が可能です。そのまま商品化することは稀で、基本的にはモルトウイスキーと混ぜて使われます。

シングルモルトウイスキーとは?

ここまではあくまでも原料の違いでした。では本題の「シングルモルト」とは一体何でしょう?

シングルモルトの定義は次の2つです。

①:「モルトウイスキー」のみを瓶詰めしている

②:1つの蒸溜所のみで蒸溜されている

モルトウイスキーの中で単一蒸溜所の原酒でつくられたウイスキーが「シングルモルト」なのです。

それぞれの土地の水や風土、気候などが溶け込んだ蒸溜所ごとの独自の味わいがシングルモルトの魅力の1つです。

対して、複数の蒸溜所のモルトウイスキーと、トウモロコシなどを原料としたグレーンウイスキーを混和したものをブレンデッドウイスキーなどと呼びます。

シングルモルト以外のウイスキーの呼び方は次のようなものがあります

ブレンデッドモルト

ブレンデッドモルトは、複数の蒸溜所の異なるシングルモルトをブレンドしたウイスキーのことです。あくまでもモルトが主なのでグレーンなど他の原料が含まれているわけではありません。

シングルグレーン

シングルモルトと同様、シングルグレーンスコッチは単一の蒸留所で製造されるグレーンウイスキーを指します。シングルモルトとシングルグレーンの最大の違いは原料の違いです。シングルグレーンは大麦麦芽だけで造る必要がなく、小麦、トウモロコシ、ライ麦などの穀物を、一つ以上使って造られます。シングルグレーンのスコッチは連続式蒸留機で度数を高めるためライトでまろやかで甘みが強いのが特徴です。

シングルモルトとシングルグレーンのもう一つの違いは、シングルグレーンの方が安価で大量に製造できる点です。そのため、シングルグレーンはおもにブレンデッドスコッチ(後述)を造るために使用されることが多いのも特徴です

ブレンデッドグレーン

複数の蒸留所のシングルグレーンをブレンドしたもの、マイルドで軽い味わいが特徴です。 

ブレンデッドウイスキー

異なる蒸留所で製造された一つ以上のシングルモルトと一つ以上のシングルグレーンをブレンドしている。一番広く包括的で最も流通しているウイスキーの総称です。

シングルモルトウイスキーの特徴

ではなぜシングルモルトがウイスキーファンの間でも人気が高いのか、その特徴を詳しくみていきましょう。

シングルモルトウイスキーは先述したとおり1つの蒸溜所のみで蒸溜されるモルトウイスキーを指します。そのため蒸留所によって出来上がるウイスキーの味わいが大きく異なり、銘柄ごとに個性がはっきりします。

マイルドな風味のものから、パンチのある味わいもの、硫黄の香りがするものなど様々です。シングルモルトウイスキーとして有名な「ザ・マッカラン」や「グレンフェディック」「グレンリベット」などもそれぞれ「こんなに違うの?」となるくらい個性がはっきり分かれています。

シングルモルトの個性を生み出す要素とは何でしょうか?主な要素を見ていきましょう。 

その1:仕込み水の違い

ウイスキーの製造工程では水がとても重要な役割を果たします。ウイスキー造りでは原料となるモルトを発酵させる過程で仕込み水を使用するのですが、その水の性質で最終的に出来上がるウイスキーの個性が変わります。シングルモルトウイスキーの蒸溜所は長い歴史をもつ蒸溜所がほとんどです。そのため長年伝統的に使用している水も、取水地の違いや地層の影響など様々な要素で蒸溜所ごとに異なります。ベースとなる仕込み水が異なることで完成するウイスキーの味わいにも違いが生まれます。

その2:製造方法の違い

基本的なウイスキーの製造工程は同じですが、蒸溜所ごとの伝統やこだわりの製法によって個性豊かなウイスキーが生まれます。例えば麦芽つくりの際にピートをたいて燻製香のような香りを持つウイスキーに仕上がったりもしますね。また、細かいところですと蒸溜釜や発酵や仕込の為の設備の違いでも様々な個性が生み出されます。

その3樽の違い

蒸溜されたウイスキー(ニューメイク)は無色透明です。それを樽に詰めて長期間熟成することで琥珀色のウイスキーとなります。

このときに使用される樽の素材や作り方によっても出来上がるウイスキーに大きな違いが生まれます。どんな材質の木を使うのか、樽の中はどのくらい焼くのか、どのくらいの期間で樽を移しかえるのか・・・等々、その判断には各蒸溜所のこだわりや歴史・伝統が反映されています

その4:熟成環境の違い

樽に詰められたウイスキーは3年、5年、10年、20年・・・ものによっては30年、40年と熟成庫で眠りにつきます。熟成される過程でその蒸溜所の熟成庫が持つ特徴に影響を受けます。熟成庫の気温や湿度、近隣の環境など、そのシングルモルトウイスキーを生み出す蒸溜所の自然風土に大きな影響を受け、個性豊かなウイスキーに育つのです。

シングルモルトウイスキーのオススメ銘柄

数あるシングルモルトウイスキーの中から、いくつかsaketryオススメの銘柄を紹介しましょう。

トマーティン ファイブ ヴァーチューズ ファイア

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蒸留所の名前にもなっている "トマーティン" は、スコットランドの古語で、「ネズの木の茂る丘」という意味があります。蒸留所はインバネスの南、トマーチン村のはずれに1987年に建てられました。

【テイスティングノート】

香り:クリーミーなバタースカッチに柑橘系の芳香、クリスマスプディングのスパイシーさが加わります。

味わい:甘味豊かなアップルパイにシナモンが軽く振りかけられた趣きです。フィニッシュがほのかにドライで、穏やかなスパイシーさが感じられます

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インチマリン 2014 9シェリーバット

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インチマリンは、ロッホローモンド蒸留所で生産されるシングルモルトの銘柄の 1 つです。

このスピリッツは軽く、フローラルで草のような香りがあり、通常はロッホローモンドのブレンドで使用されていましたが、現在は単独のモルトとしていくつかのバリエーションがあります。オリジナルの蒸留所は 1814 年にターベットの町で誕生。現在の場所は 1964 年にオープンし、ローモンド湖の南岸にあるアレクサンドリアの町にあります。

「ローモンド蒸留器」を初めて使用したことで有名で、さまざまなキャラクターを生み出すことができるようにネックに整流板を備えたポットスチルです。

1994年にはモルト ウイスキーとグレーン ウイスキーの両方を製造する唯一の蒸留所となり、その多用途性により現在 11 種類の異なる原酒を製造しています。

現在の所有者であるLoch Lomond Groupは、Exponent Private Equityによって 2014 年に設立されました。 

【テイスティングノート】

香り:砂糖漬けのリンゴ、バター、クローブの香りを伴う豊潤さが感じられます。

味わい:塩キャラメル味のショートブレッド、スパイシーさが口に広がります。

フィニッシュ:余韻は長く、シリアルとクラブアップルをたっぷりと感じさせるジューシーさが特徴的です。

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コッツウォルズ シングルモルトウイスキー

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英国本場のクラフトの伝統を体現した「100%ローカルバーレイ・ウイスキー」。

古き良きイギリスの面影残るコッツウォルズであのジムスワン博士の指導の下、スコットランドを凌ぐウイスキー造りを目指し、2014年に製造を開始。

地元のローカルバレイを100%使用し、世界でも一部の蒸留所でしか行われない「フロアモルティング」でウイスキーのテロワールとも言うべき哲学でウイスキー造りを行い今では、世界中から数々の賞を受賞し、その真価を証明しています。

長時間の発酵と、通常とは異なる酵母菌株の使用、画期的な蒸溜カットにより生まれる、バランスのとれた、滑らかでフルーティなウイスキーです。

ファーストフィルのケンタッキー産バーボン樽と、シェービング、トースティング、リチャーリングを施した(STR)赤ワイン樽での熟成により、若いウイスキーとしては信じられないほどの成熟された深いフレーバーが生み出されています。

【テイスティングノート】

香り:マジパンの香りと軽やかなフルーツ(桃とアプリコット)が重なる、蜂蜜とバタースコッチ

味わい:カラメリゼされたマーマレード風味、スパイスの効いたタンニン

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