ボトラーズウイスキーとは何か?ボトラーズの特徴や種類、おすすめのブランド4選
ウイスキーを飲みはじめると「オフィシャル」「ボトラーズ」といった言葉が目に入ったり耳にしたりするかと思います。ウイスキーの生産形態は基本的にオフィシャルボトルとボトラーズウイスキーとの2種類に分かれます。
この記事ではボトラーズウイスキーの特徴やオフィシャルとの違い、ボトラーズウイスキーのおすすめ銘柄を紹介していきます。
ボトラーズウイスキーとは何か?
オフィシャル
蒸留所が製造から瓶詰のすべてをおこなうウイスキーのことをオフィシャルボトルと呼びます。
ボトラーズ
ボトラーズとは「インディペンデント・ボトラーズ(独立瓶詰業者)」が正式名称です。ボトラーズウイスキーはボトラーズが蒸留所やウイスキーブローカーから原酒を買い取り、独自に瓶詰されるウイスキーのことです。
例えばグレンリベット蒸溜所が自社のウイスキーをボトリングして販売したウイスキーは「オフィシャル」となります。
あるボトラーズ会社がグレンリベット蒸溜所から原酒を購入し、独自にボトリングして販売されたウイスキーは「ボトラーズ」となります。
供給量はオフィシャルの方が多いですが、ボトラーズウイスキーは種類が非常に多く、商品の種類がオフィシャルよりも豊富な場合がほとんどです。
オフシャルボトルにはないボトラーズウイスキーの特徴を見ていきましょう。
ボトラーズウイスキーの特徴
個性的なウイスキーを味わえる
ボトラーズ会社が販売するウイスキーの種類
オフィシャルはブランドのイメージを守り商品の個性や質を一定に保つ必要があります。しかしボトラーズの商品はオフィシャルボトルのように「蒸留所のブランドイメージ」を厳格に守る必要がなく、オフィシャルでは味わえない様々な個性を持つウイスキーを販売することが可能です。
ウイスキーの個性は蒸留所の違い以外に、樽の種類や熟成期間によっても大きく依存します。オフィシャルボトルで販売できない個性豊かなウイスキーをボトラーズでは楽しむことが可能です。
ボトラーズは一期一会
オフィシャルでは常に安定した味わいを保つため数百種類の原酒をブレンドして過去のリリースと同じ味わいのウイスキーを完成させる場合が多いです。逆にボトラーズの場合は「シングルカスク」として販売されるパターンが多く、樽それぞれの個性が強く反映された商品がメインとなっています。シングルカスクでない場合は、条件の近い樽(同じ仕込み日・同じ種類の樽)を使用し、合わせる数は2,3樽までくらいが一般的です。「同じ味わいのウイスキーを再現させる」という前提がないため、オフィシャルボトルとは違った個性を味わいことが可能となっています。
ボトラーズの場合ほとんど一度きりのリリースの限定品です。そのため売切れたらもう再販売されることがなく、まさに「一期一会」なのです。
アルコール度数
オフィシャルは50%以下、ボトラーズはカスクストレングスが主軸。
オフィシャルボトルは皆が飲みやすいようアルコール度数は40~50%以下くらいに加水調整されているものが多いです。
ボトラーズの場合、ボトリングするウイスキーの個性をそのまま味わってもらうという目的が大きいため加水調整せずにカスクストレングス(樽から出された無加水のアルコール度数)でのリリースが多い傾向にあります。
ラベルデザインが個性的
オフィシャルはその蒸溜所のイメージを定着させるためラベルデザインがあまり奇抜になったりボトルによって変わったりすることは稀ですが、ボトラーズのほうが個性的なものが多い傾向にあります。
ウイスキーの個性と同じく、ボトラーズやそのシリーズによって大きくデザインが変わり自由度が高いのもボトラーズの面白い所です。
ボトラーズ会社が販売するウイスキーの種類
シングルモルトウイスキー「シングルカスク」
一つの蒸留所で造られた一つの樽(シングルカスク)をボトリングした商品のことです。最もメジャーなボトラーズウイスキーの種類と言っていいでしょう。樽の個性を楽しむシングルカスクということもあり、同じ蒸溜所でもオフィシャルのウイスキーとは全く異なる個性を楽しめる可能性が高いです。
シングルカスクはカスクストレングス(無加水、樽熟成の度数そのまま)でボトリングされることがメジャーですが、加水タイプもあります。
参考記事
→シングルモルトウイスキーとは何か?ブレンデッドウイスキーとの違いとおすすめシングルモルト
シングルモルトウイスキー「ヴァッテッド(複数の樽を合わせたタイプ)」
一つの蒸留所から買い付けた複数の樽をブレンドすることをヴァッテッドといいます。ボトラーズは年数表記があるものが多く、同一ヴィンテージの樽同士を合わせるパターンがよく見られます。
シングルモルトウイスキー「シークレットモルト(蒸留所非公開)」
一つの蒸留所で造られた原酒のみを使用しボトリングされていますが、その蒸溜所名が秘密にされているものをシークレットモルトと呼びます。
提供元の蒸溜所が自分達のブランドを守るために蒸留所名を伏せるようボトラーズと契約している事が多いようです。シークレットモルトのラベルには「シークレットスペイサイド」や「シークレットアイラ」などというように、地域名のみを名乗っている場合もあります。
ブレンデッドモルトウイスキー
複数の蒸留所から買い付けた樽を、ボトラーズ会社が独自にブレンドして販売しているものを指します。
ブレンデッドウイスキー
モルトとグレーンの原酒をブレンドしたタイプです。
大手メーカーが造るブレンデッドウイスキーよりも生産量が少ないことから、より個性的なものが多い印象です。
saketry人気の「ボトラーズ」紹介
それではsaketryがおすすめするボトラーズウイスキーをいくつか紹介します。気になったボトルや銘柄があったらテイスティングボトルからお気軽に始めてみてはいかがでしょうか?
ザ・モルトマン
上質の樽選びの匠がもたらす「最上のモルト」。名ブレンダーとして、数々のウイスキーをプロデュースしてきたドナルド・ハート氏と息子でありゼネラル・マネージャーのアンドリュー・ハート氏と一緒にボトラーズブランドを創業。その類まれなるブレンダーとしての経験と情熱は、数あるボトラーズ中から高い評価を受け上質の樽選びによるクオリティーで、数々の賞を受賞しています。モルトマニアから絶大な人気を誇るシリーズ。
カリラ 2008 14年 リフィル・ホグスヘッド
https://www.saketry.com/113004.html
香り:メディシナル、かすかなピートスモークと切りたてのリンゴ。
味わい:クリーミーで滑らか、スポンジケーキ、スモーキーなバニラ、トーストしたブラウンシュガー、塩辛いリコリスも感じられる。
フィニッシュ:ほのかなフルーツと、温かみのあるスモーク香が余韻として長く残る。
ディスティラリーズ・コレクション
日本の先駆けボトラーズシリーズとして、ブランドがスタートしてから20余年を数え数多くのシングルモルトの秀逸の一樽をリリースしてきた「ディスティラリーズ・コレクション」。ブランドの「銘柄の知名度や価格の大小に囚われず、真に味の良いものだけを選りすぐる」。隠れた名酒を発掘してきた信頼の人気ボトラーズシリーズ。原画は画家の佐藤英行氏による描き下ろし。
アベラワー 2010 12年リフィル シェリーバット 52.5%
https://www.saketry.com/113050.html
【アロマ】トップノートにはうっとりするような、品のいい甘い香り。ビワやザクロ、洋梨、レンゲの蜂蜜、水辺の花などが現れる。軽やかだがバランスがよく、しっとりとした熟成感が心地いい。
【フレーバー】口中に蜂蜜のキャンディとチョコレートが広がる。続いて麦芽シロップやマーマレード、シナモン、甜茶なども感じる。フィニッシュには蜂蜜がけのオレンジピールとタンニン。
ハートブラザーズ ファイネスト・コレクション
ハートブラザーズの起源は、19世紀にまでさかのぼりスコットランドの全土から最高級のスコッチウイスキーを調達し、瓶詰めするスペシャリストです。厳選された良質な樽を、最高の状態になるまで熟成をし続け着色や冷却ろ過を一切行わず、一番良い状態になるまで瓶詰めを行いません。これはまさに「最高品質のウイスキー」です。
インチマリン 2014 9年 シェリーバット 46%
https://www.saketry.com/113099.html
香り:砂糖漬けのリンゴ、バター、クローブの香りを伴う豊潤さ。
味わい:塩キャラメル味のショートブレッド、スパイシーさが口に広がる。
フィニッシュ:余韻は長く、シリアルとクラブアップルをたっぷりと感じさせるジューシーさが特徴的。
ザ・クーパーズ・チョイス
妥協なき樽職人の矜持(プライド)が熟む唯一無二のウイスキー。
かつて、ボウモア蒸留所で20年以上ゼネラル・マネージャーとして研鑽を積んだブライアン・クルック氏によって、1992年にグラスゴーにて創業。樽職人の名を冠した「ザ・クーパーズ・チョイス」は、その樽選びの独創性と品質の高さで今や世界20カ国以上に輸出をするほどの人気シリーズブランド。
アードモア 2008 14年 バーボン・カスク 51.5%
https://www.saketry.com/113009.htm
香り:乾燥したピートの煙、粉灰、青リンゴ。
味わい:バニラとレモンの香りを伴う燻製蜂蜜、甘いピーテッドモルト。
フィニッシュ:柑橘系のエッジ、ドライスモークが追いかけてくる。