年数表記のないウイスキー「ノンエイジウイスキー」とは何か?
「ノンエイジ」ウイスキーとは、エイジング(熟成)期間をラベルなどに表示していないウイスキーのことです。よくウイスキーのラベルには「12年」「18年」などの年数が表記されています。例えば「マッカラン12年」「アラン18年」などです。これらの年数は熟成期間の長さを示しています。このような年数表示のないウイスキーが「ノンエイジ」ウイスキーと呼ばれます。
ノンエイジウイスキーとは?
まずはウイスキーのエイジング(熟成)について少し確認しておきましょう。
ウイスキーは蒸溜した原酒を木樽に詰め、熟成させることで初めて琥珀色に変化し、深みのある香りと味わいのウイスキーになります。
年数表記があるウイスキーに見られる「〇〇年」の表記は「〇〇年以上熟成させた原酒だけを瓶詰めしたウイスキー」を意味しています。基本的に熟成期間の異なる原酒をブレンドした場合、ブレンドされた最も若い原酒の熟成年数を表記するのが決まりです。
例えば8年、12年、14年、17年の4つの異なる原酒がブレンドされていた場合、ラベルの熟成年数表記は「8年」となります。
これに対し、熟成期間を限定せずにブレンドし、瓶詰したウイスキーが、年数表示のない「ノンエイジ」ウイスキーと呼ばれています。
ノンエイジウイスキーは熟成していない?
「ノンエイジ」という言葉は「エイジングしていない」と解して、「熟成されていないウイスキー」と勘違いしている方もいらっしゃるかもしれません。
樽熟成を経ていない、蒸溜仕立ての原液は「ニューポット」または「ニューメイク」などと呼ばれます。樽熟成を経ないので無色透明で、アルコール度数も蒸留時のままなのでおよそ70度近くあり、一般的には飲用には向きません(ニューポットも商品化されるケースもあります)。しかしながら「ノンエイジ」は熟成期間をラベルなどに表示していないだけで、樽熟成された原酒が瓶詰めされています。「ニューポット」とは異なる存在です。
ノンエイジウイスキーの魅力
ノンエイジウイスキーは熟成年数が明記されていないので少し不思議な気もしますが、ウイスキー市場では割と一般的なことで、昨今もノンエイジウイスキーの種類は豊富にあります。
ノンエイジウイスキーの魅力は、なんといってもブレンドです。ウイスキーは同じ蒸留所、同じ時期に熟成されても樽毎に香味が異なります。そのため同じ年の原酒をブレンドしても大きく味わいが異なります。ウイスキーのブレンダーが最良と思う原酒をブレンドするノンエイジウイスキーは、ブレンダーのこだわりや個性、腕の見せ所でもあります。ノンエイジウイスキーは熟成期間に捉われず質のいい原酒を選択可能であるため、質を重視してブレンドできることがメリットです。ノンエイジウイスキーであるからこそ使用する原酒の自由度が高く、ブレンダーの表現の幅を高め、ウイスキーの楽しみ方を広げています。
ノンエイジウイスキーの価格がリーズナブルな理由
古い年代物の長期熟成ウイスキーは風味の質の保証はされていないにも関わらず価格は非常に高騰します。
ノンエイジングウイスキーは、「20年」「30年」といった長期熟成のウイスキーよりも、リーズナブルな価格で購入できる場合が多いです。「長期熟成ものよりも質が劣る」と思っている人もいるかもしれません。
長期熟成のウイスキーは、それだけ手間もかかり、原酒も希少になることから、必然的に高額になり、高級品とのイメージがあります。ノンエイジがリーズナブルになるのは熟成期間を問わないからで、それが品質のよしあしと直結するものではありません。
理由としては熟成期間が長いウイスキーは希少性も高く、世界中のウイスキー愛好家やコレクターからの需要があるため、年代物ウイスキーは時に定価の10倍や100倍の価格で売買されることがあります。一方で、ノンエイジウイスキーは熟成期間の表記がないため、希少性が低いと判断されコレクターの収集の対象になることも少ないです。よって、熟成期間の表記があるウイスキーよりも価格がリーズナブルになりやすい特徴があります。
年数表記のないノンエイジウイスキーと、12年や18年などの熟成年数表記のあるウイスキーにはどちらにも特性やメリットがあり、一概にどちらが良い悪という比較をすることはできません。まずは是非ご自身の好みを確かめてみてください。
saketryおすすめのノンエイジウイスキー
燻酒 アイラ シングルモルト
香り立つ薫香。ソーダで割っても、いささかもブレない芯のあるウイスキー。日本人にもっとも馴染みのある飲み方がハイボールだとしたら、そのためのウイスキーは何があるだろう。この素朴な疑問に、弊社では「アイラ・ハイボール」という一つの解答をご用意いたしました。何よりも香りが重要と考え、アイラ産のシングルモルトウイスキーを厳選。キリリとした飲み口にこだわって、50度でボトリング。薫かおる故に「燻酒」。このスモーキー・フレーバーは病み付き必至。クセになります。他のどこにもないその個性。尖ったハイボーラーのためのウイスキー。この日、ハイボールの歴史が変わります。
ザ・ヒーラック アイル・オブ ハリス シングルモルト
アイル・オブ・ハリス島で初めての蒸溜所「アイル・オブ・ハリス蒸溜所」が創立されて8年、蒸溜所初であり、ハリス島初である歴史的なウイスキー「THE HEARACH(ザ・ヒーラック)」が誕生。ハリス島特有の風土や厳しくも美しい自然を思い起こさせるような、外箱の細部までこだわり抜いた美術品のようなパッケージに、瑞々しい琥珀色のウイスキー。世界が注目するウイスキーを、ぜひご堪能ください。