バーボンとスコッチの違いは何?基本的な5つの違いを抑えよう
ウイスキーのカテゴリーとしてどちらも有名な「バーボン」と「スコッチ」ですが、果たしてその違いは何でしょうか?
細かな違いは多くありますが、まずは絶対に抑えておきたい産地や原料、製法などバーボンとスコッチの基本的な5つの違いを紹介します。
そもそもウイスキーの定義とは?
バーボンとスコッチは、2つともウイスキーの一種です。まず基礎知識としてウイスキーの定義をおさらいしておきましょう。
ウイスキーとは、穀物の原料を発酵させ、蒸留させた後に木樽で熟成させたものです。
代表的な原料は、大麦・小麦・ライ麦・トウモロコシなどです。
お酒のカテゴリーでは蒸留酒に属します。原料を発酵させて造ったものが醸造酒。その醸造酒を蒸留させたものが蒸留酒です。焼酎・泡盛・ブランデーなどもウイスキーと同じ蒸留酒です。それに対して日本酒・ワイン等は醸造酒に入ります。
下記に参考記事がありますので詳細はこちらを↓
ウイスキーとブランデーの違いとは?種類や違いを分かりやすく解説
https://www.saketry.com/saketr...
それでは同じウイスキーでも異なるバーボンとスコッチの5つの違いを見ていきましょう。
その1:産地が違う
まず1つ目におさえておくべきなのは産地の違いです。
ウイスキーには世界5大ウイスキーと呼ばれる代表的なウイスキーが存在します。それぞれ産地の違いで、「スコッチ・ウイスキー(スコットランド)」「アメリカン・ウイスキー(アメリカ)」「ジャパニーズ・ウイスキー(日本)」「カナディアン・ウイスキー(カナダ)」「アイリッシュ・ウイスキー(アイルランド)」です。
その中でもバーボンはアメリカン・ウイスキーに含まれ、スコッチはスコッチ・ウイスキーに含まれます。ちなみにバーボンはバーボンの生産地で有名なケンタッキー州以外で造られてもアメリカ国内で製造されていればバーボンと名乗ることができます。
参考記事
世界5大ウイスキーとは?それぞれの特徴を紹介
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その2:原料が違う
バーボン、スコッチ共にどちらもウイスキーなので原料が穀物であることは変わりありませんが、何の穀物かが大きく異なります。
バーボンの原料
バーボンの原料はトウモロコシをメインに、大麦・小麦・ライ麦などの穀物類が使われています。
バーボンと認められるには、トウモロコシの配合を51%以上にする必要があります。(80%以上使用するとコーン・ウイスキーと呼ばれるものに名称が変化)
アメリカといえば広大なトウモロコシ畑のイメージがある方も多いかもしれません。まさに原料からアメリカっぽいウイスキーですね。
スコッチの原料
スコッチの原料はいくつかに分かれています。
スコッチは「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」「ブレンデッドウイスキー」の3種類に分類されます。
モルトウイスキー…原料は大麦麦芽、発芽した大麦のことです。
グレーンウイスキー…大麦麦芽と穀物(小麦、トウモロコシ、ライ麦)が原料になります。
ブレンデッドウイスキー…この2つのウイスキーをブレンドして作ります。
要約すると
バーボン→トウモロコシ中心
スコッチ→大麦麦芽+その他穀物中心
といった原料の違いです。
その3:蒸溜方法が違う
バーボンの蒸溜方法
バーボンの蒸溜には「連続式蒸溜機」が用いられます。
連続して蒸溜を繰り返すことにより、アルコール度数を効率よく高められるのです。
不純物も同様に効率的な除去が可能で、バーボン独特の味わいが生まれます。
スコッチの蒸溜方法
スコッチの蒸溜は種類ごとに分かれており、モルトウイスキーは「単式蒸溜機」で2回蒸溜を繰り返し大麦の風味をしっかりと残しつつ蒸溜されます。
グレーンウイスキーは「連続式蒸溜機」が使用され、バーボンと同様、効率よくアルコール度数を高めていきます。
その4:熟成樽が違う
バーボン、スコッチ共に蒸留後は木樽に数年入れられ樽熟成を経ます。そこで使用される樽の種類がそれぞれ異なります。
バーボンの熟成樽
基本的に、新品のホワイトオーク樽の内側を火で炙った(チャーリング)ものを使用。焦がした新樽で熟成させることにより、樽のエキスを短期間で吸収できます。
熟成期間の規定はありませんが、一般的には最低4年~6年熟成させたものがスタンダードなバーボンです。
ちなみにはケンタッキー州で造られるバーボンには細かい規定があります。
ケンタッキー・バーボン:1年以上の熟成が必要
ケンタッキー・ストレート・バーボン:2年以上の貯蔵が必要
※ケンタッキー州では4年未満のものについてはラベルに熟成期間を表示しなければならないため、多くのケンタッキー・ストレート・バーボンは4年以上の貯蔵を行っている
スコッチの熟成樽
スコッチは基本的に、シェリー酒やワイン・ビール、さらにバーボンの熟成で一度使用された使用済の樽を使って熟成されます。新品の樽より熟成に時間がかかるのですが、それぞれ前に入っていた酒の風味や味わいを一緒に吸収することができます。
熟成には最低3年を経なければなりません。
その5:ウイスキーのスペルが違う
バーボンとスコッチでは「ウイスキー」を英語で表記した際のスペル(綴り)が異なります。
バーボンはWhiskey
スコッチはWhisky
です。(最後のkとyの間にeが入るか入らないか)
歴史を辿るとアメリカン・ウイスキーはアイルランドから移住してきた人々が作り始めました。アイルランドを代表するウイスキーはアイリッシュ・ウイスキーで、アイリッシュ・ウイスキーはもともと「Whiskey」と綴られていました。
そのためアメリカン・ウイスキーを作り始めた人々も同様に「Whiskey」のスペルで表記するようになったのです。
日本のウイスキーはスコッチと同様に「Whisky」と表示します。これは日本のウイスキーがスコッチをベースに作られてきたからです。
以上5つがバーボンとスコッチの製造に係る所での大きな違いになります。では実際に味わいはどのように違うのでしょうか?
バーボンの味わい
全体的にバーボンは甘みが感じられ、焦げた樽の香りが立ち上ります。
甘みが強い印象を持つ人が多いでしょう。
原料によっても印象は異なり、トウモロコシの割合が多いものは甘くてまろやか、ライ麦の割合が多いものはスパイシーでオイリー、小麦の割合が多いものはマイルドでソフトな舌触りになる傾向があります。
もちろんメーカーや銘柄、熟成させる年数などによって様々な違いがあります。
スコッチの味わい
スコッチはバーボンと比較すると、重厚な味わいであると評されることが多いウイスキーです。
こちらの記事にも書いていますが、スコッチは主に6つの生産域に分かれており、それぞれで特徴も異なります。
スペイサイド:バランス型。フルーティでフローラルな香りも楽しめる。
ハイランド:最も広い土地のため多彩な味わい。スパイシー、スモーキー、フルーティと多様な味わいを楽しめる。
キャンベルタウン:海岸沿いのためか海のような独特の塩気にくわえ、スパイシーさ、リッチな香味が特徴。
ローランド:よりソフトでクリア、口あたりの優しいウイスキーが特徴的。
アイランズ:蒸留所ごとに個性が強い。荒々しく強烈な煙臭をもつものもあれば、シルキーな口当たりのものもある。
アイラ:他のウイスキーにはないスモーキーでピートの香り、クセのある香味が楽しめる。
参考記事
ウイスキーとスコッチの違いは何?スコッチの特徴を詳しく解説
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saketryおすすめのバーボン
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「ダークネス」シリーズは、シェリー樽を焼く60Lのサイズに組み替えた「オクタブ(小樽)」でフィニッシュしたシリーズで、繊細さ、落ち着き、優雅さとは対照的な「力強さ」、「濃厚さ」、「ボリューム感」がお楽しみいただけます。
国内限定120本入荷。ペドロヒメネスシェリー樽での熟成です。 香り:レモンシャーベット、チョコレート、チリペッパー、オーク。
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ケイデンヘッド テネシー 18年 オリジナルコレクション
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香り:バニラ、塩キャラメル、スイカズラ、バター。
味わい:キャラメルラテ、コムハ二―、ミルクチョコレート、ジンジャー。