ジンとウォッカの違いは何?世界4大スピリッツの紹介【入門編】

世界には4大スピリッツと呼ばれる蒸留酒があります。恐らく多くの方が一度は口にしたおことがあるものです。
そう、世界4大スピリッツとは
ジン・ウォッカ・ラム・テキーラ
です。

普段お酒を飲まない方でも一度は聞いた事があるこの4つの蒸留酒。しかしながらこの4つの違いをちゃんと言える人は意外と少ないのではないでしょうか。

今回は入門編としてジン・ウォッカ・ラム・テキーラの違いと特徴を比較して見ていきましょう。

スピリッツ(蒸留酒)とは

スピリッツ(spirits)は日本語で「蒸留酒」のことです。
蒸留酒は「醸造酒」を蒸留して造ったお酒のことをいいます。醸造酒は米や麦、果実などの原料を酵母として、アルコール発酵させて造るお酒です。日本酒やワイン、ビールなどが醸造酒にあたります。

蒸留酒はこれらの醸造酒を蒸留させることでアルコールが凝縮され、よりアルコール度数を高めたものです。一般的に最終的に商品化される蒸留酒のアルコール度数は40%以上となりますので、保存性に優れており消費期限がありません。

蒸留酒の代表例としては、ウイスキー、ジン、ウオッカ、テキーラ、ラム、ブランデーなどが挙げられます。
日本の場合、「ウイスキー・ブランデー・焼酎を除く」エキス分2%未満の蒸溜酒を、「スピリッツ」と分類しています。

ジン・ウォッカ・ラム・テキーラの違いを表で比較

まずは分かりやすく各スピリッツの原料と特徴、味を一覧にしてみました。

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重要な部分は原料ですね。まずはそれぞれ原料が違うということは頭に入れておきましょう。これだけでも知らない人にとっては「おぉ、そうなんだ!」となる知識です。

では次にそれぞれのスピリッツをもう少し詳しく見ていきましょう。

ジンとはどんなお酒?

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スピリッツにジュニパーベリーをはじめとしたボタニカルで風味づけしたスピリッツ。
ジンは、穀物などを蒸留したベースのスピリッツにハーブや果皮、スパイスなどのいわゆる「ボタニカル」を数種加え風味づけされたお酒。

ジュニパーベリーは必須ですが、それ以外のボタニカルには制限がなく、使う種類や数は銘柄によって様々です。アルコール度数は40〜50度前後が一般的です。

ジンは自由度が高くボトルによっては何十種類ものボタニカルを使用したジンもあり、その香り高さやバリエーションの多さは蒸留酒の中でも随一を誇ります。

また、ジンはカクテルのベースとして広く使われており、ジントニックやマティーニなどの王道カクテルはじめ、オリジナルカクテルなどにもジンは欠かせない存在となっています。

ウォッカとはどんなお酒?

主に穀物、イモ類由来のスピリッツを白樺の炭でろ過したクリアなお酒。

ウォッカは、大麦、小麦、トウモロコシなどの穀物、またはジャガイモなどのイモ類を原料とし、それらを発酵・蒸留させ、白樺の木の炭でろ過させたお酒です。

ウォッカは基本的に「無味無臭」。クリアでニュートラルな味わいが特徴です。
アルコール度数は40度前後が一般的です。しかし、「スピリタス」のように90度を超えるような銘柄もあります。

最近ではウォッカに様々な香りをつけたフレーバードウォッカも多数生産されています。ウォッカもまた、ジンと同じようにカクテルのベースとしては欠かせない存在です。ウォッカを使った有名なカクテルとしては「モスコミュール」や「コスモポリタン」「ソルティドッグ」などが挙げられます。

ラムとはどんなお酒?

主にサトウキビの搾りかす(糖蜜)を原料としたスピリッツ。期間の長短はあるが樽熟成されるものもあります。

サトウキビの絞り汁、または糖蜜・廃糖蜜を原料に作られるのが「ラム」です。
100%サトウキビの絞り汁から作られるラムをアグリコールラムと呼びます。
アルコール度数は40~50%程が一般的です。なかには151プルーフという75度にも及ぶラムもあります。基本的に甘くまろやかな口当たりのものが多く、初心者でも飲みやすいスピリッツとされています。

サトウキビの産地がラムの産地にもなっており、キューバやプエルト・リコ、ジャマイカ、マルティニーク島などが主な産地として挙げられます。

ラムは基本的に樽で熟成され、無色透明なタイプと茶色く色づいたタイプがあります。透明なタイプは短期間熟成でろ過を行い、茶色いタイプは主に中〜長期間樽熟成され琥珀色の色と樽の風味がついています。またラムは、色や風味から3つのタイプに大別され、ホワイト(ライト)ラム、ゴールド(ミディアム)ラム、ダーク(ヘビー)ラムがあります。

ラムを使ったカクテルとしては「モヒート」「ダイキリ」などが有名ですね。

テキーラはどんなお酒?

多肉植物のアガベ(竜舌蘭)を主な原料とし、メキシコのみで造られるスピリッツ、樽熟成されるものも多い。

サボテンが原料と勘違いされがちですが、正式には「アガべ」という植物が原料になっています。「アガベ」は200種以上も品種がありますが、その中でテキーラを名乗ることができるのは、たった一つ「アガベ・アスール・テキラーナ・ウェーバー(ブルーアガベ)」という品種だけです。テキーラは定義上メキシコでのみ生産が許されるお酒です。アガベを原料比の51%以上使用する必要があります。アルコール度数は35〜55度以内と定められています。

アガベ特有の少し青っぽい甘みがあり、カクテルにもよく使用されます。
また、テキーラにもラム同様に透明なタイプと茶色く色づいたタイプがあり、茶色いタイプは主に樽で熟成されています。
テキーラはその熟成期間によって名称が定められており、熟成なしのシルバー、2ヶ月以上熟成のレポサド、1年以上熟成のアネホ(アニェホ)、3年以上熟成されたエクストラアネホなどがあります。近年ではアガベのみを原料に使用したアガベ100%テキーラ、通称プレミアムテキーラが日本でも注目されています。

テキーラを使ったカクテルとしては「マルガリータ」「パロマ」などが有名です。

まとめ

最後に、4つのスピリッツの特徴を改めてまとめます。

ジン:スピリッツ(原料は様々)にジュニパーベリーをはじめとしたボタニカルで風味づけ。

ウォッカ:主に穀物、イモ類由来のスピリッツを白樺の炭でろ過したクリアなお酒。

ラム:主にサトウキビの搾りかす(糖蜜)を原料としたスピリッツ、期間の長短はあるが樽熟成される。

テキーラ:多肉植物のアガベを主な原料とし、メキシコのみで造られるスピリッツ、樽熟成されるものも多い。

こうして比べてみると、皆スピリッツに分類されるとはいえ、原料や製法に大きな違いがあることがわかります。ぜひ皆さんも好みのスピリッツを見つけてみてください。

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